映像授業業界がなかなか厳しい。
映像授業業界はここ数年で一気に厳しくなってきた。
勢いのある新しいサービスが増えてきて、更に薄利多売の流れも強まる一方。
2017年度に向けて、また大きな動きをすでに感じさせるところもちらほら。
どう考えても厳しい。厳しくなった。
僕は映像授業のDVD販売をし始めたのが8年前。
もちろんそのころ、すでにネット配信しているところはあったし、大手の映像授業に対しては受講する側の不安感がかなりなくなってきている感じはあった。
でも、DVDを販売するにしても、ネットで配信するにしても、商品として考えているのは、映像授業そのもの"だけ"という感覚だったと思う。
DVDを売っていた僕なんか、まさにそうだった。
それから8年の間にスマートフォンが普及し、技術も進み、サービスも増えた。
平均レベルとして、技術も、リテラシーもかなり上がり、ツールも便利になり、ちょっと得意くらいだと周りと差別出来ない状態になった。
ありふれたコンテンツは日常に近くなり、個人のつくるコンテンツのクオリティもどんどん上がってきた。
そしていつの間にか、映像授業そのもの"だけ"を商品と考えるのは難しくなってきた。
これから2~3年でこの流れはより速く進んでいく。
映像コンテンツへの重要視は高まる一方で、さらにそれに上乗せしてTechがしっかりついていかないと行けない。
いやむしろ、Techが先を行くくらいの勢いが必要かもしれない。
映像コンテンツ"だけ"の提供ではなく、映像コンテンツを含んだ"体験"の提供が必要になっている。
これはかなり難しく、どこを見渡してもみんな、このTechの部分だとか、スマートフォンの時代だとか、これからの時代だとかいう部分を理解できず、つかみきれずにいるようだ。
いや、周りだけの話ではなく、自分も含めて。
僕は5年くらい前に、映像授業屋さんから、エンタメ屋さんに切り替えた。
(マインドセットの問題がメインだが、それから一度も自分を映像"講師"だと思ったことはない)
それからは、映像コンテンツ"だけ"ではなく、"体験"をどうつくるかという部分を考えるのがメインに。
僕が"体験"に目を向け始めたのは時代を先取りしたとかでは全くなく、単に自分がやりたいことを考えた結果だったが、思いのほか業界全体としてこの流れが来ているようだ。
5年考えてるからこそ思う。
いまの映像授業業界において"体験"をどうつくるかというのはすごく難しい。
難しい理由のひとつは、それは0から1を生み出す行為に近いからだ。
もともと映像授業というのは塾や予備校の現場の延長なので、1から100をつくる行為に近い。
そして、今の特に薄利多売のこの時代では、100から10000をつくる行為に近い。
(僕も数年前に半年で7000本以上の撮影をした)
つまり、もともと映像授業の制作プロセスには、0から1を生み出す行為はほとんど含まれないのだ。
やったことのないことをやるのは単純に難しい。
そんな中で、これからのこの業界で突き進む方向は2つに分かれるといっていいんじゃないかと思ってる。
ひとつは、量で勝負。たくさん映像授業をつくる。ニッチな分野はいっぱいある。情報分析して、需要のある分野を探して、とにかくつくりまくる。
もうひとつは、ビジョンを軸に、自分の思う世界づくりに徹する。もちろん、これは"体験"をつくるという意味だ。
"体験"をどうつくるかというのはすごく難しい。
そして、すごく楽しい。
時代の流れ、今の環境、みんなが持っているデバイス、技術、生活の変化。
人工知能の発達。
VRの普及。
IoTの浸透。
よだれが出るほど、面白いことだらけ。
いろんな要素を同時に加味しながら、空気を読みながら、空気をつくっていく。体験をつくっていく。
教育、学習においては、まだまだこの部分はすかすかだ。
だから、やれることも、楽しいことも、大量に残っている。
こんなに楽しい分野も、この時代においてそんなにないんじゃないかな。
いやー。がんばろう。
と、そんなことを2月1日に書こうと思っていたら、2日になってしまいました。
気持ち的には、1日からです。
よろしくお願いいたします。